Pythonを使ってYAMLの使い方について解説します。
YAMLは、DockerやKubernetesといったコンテナオーケストレーションツールで利用されています。
書き方や使い方がわからない方に対して、PyYAMLの使い方を含め解説しています。
他にもPythonでいろいろなファイルの読み書きを解説しています。
ご興味があれば、下記の記事もご覧ください。
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YAMLとは
YAMLは、オブジェクトを文字列にシリアライズしたデータ形式の一種とのことです。
ウィキペディアからの一文なのですが、よくわからん。
とりあえず、XMLやJSON、TOMLといった構造化したデータをもつ、データ形式と同じ種類と思っても良いです。
特徴としては、XMLやJSONなどと同じくテキストとして読むことができます。
YAMLの書き方
YAMLの書き方として特徴的なものが、インデントを使って階層構造を表現します。
Pythonを使ってたらわかると思いますが、Pythonでもインデントを使ってブロックを表現しています。
そのため、YAMLでも似たような書き方になります。
タブの禁止
インデントを使って階層構造を表現しますが、タブスペースを利用することはできません。
利用できるのはスペースになります。
profile:
nickname: ニックネーム
コメントアウト
コメントの書き方は、#(ハッシュ記号)を使います。
# name: 太郎
連想配列
同一階層で、複数のキーと値を設定する方法です。
Pythonだと連想配列にピンと来ない場合は、辞書型だと思ってください。
name: 太郎
age: 20
リスト
リストについては、下記の形で先頭行にハイフン(ー)をつけます。
member:
- 太郎
- 次郎
- 三郎
PyYAMLの使い方
PyYAMLは、Python版のYAMLパーサーになります。
YAML1.1のパーサーやUnicodeのサポートなどを行なっています。
PyYAMLのインストール
PyYAMLをインストールするには、pipコマンドを使ってインストールします。
$ pip install PyYAML
インストールが成功すると下記のようにSuccessfullyが表示されます。
Collecting PyYAML
Downloading PyYAML-5.4.1-cp39-cp39-macosx_10_9_x86_64.whl (259 kB)
|████████████████████████████████| 259 kB 2.4 MB/s
Installing collected packages: PyYAML
Successfully installed PyYAML-5.4.1
YAMLの読み込み
YAMLファイルを読み込むために先に、YAMLファイルを作成しました。
下記がYAMLファイルになります。
settings:
language: jp
option:
account:
max: 100
min: 50
このYAMLファイルを読み込むコードが下記なります。
import yaml
with open('sample.yaml', 'r') as f:
data = yaml.load(f)
print(data)
ドキュメント見ながらやったのですが、ワーニングでました(笑)
下記がその内容です。
YAMLLoadWarning: calling yaml.load() without Loader=... is deprecated, as the default Loader is unsafe. Please read https://msg.pyyaml.org/load for full details.
data = yaml.load(f)
とりあえずWarningが出ますが、データはしっかりと返ってきていました。
{'settings': {'language': 'jp'}, 'option': {'account': {'max': 100, 'min': 50}}}
ワーニングを消すには、3つの関数のどれかを使うことで消すことができます。
Load関数
- safe_load
- full_load
- unsafe_load
ロードする関数によって、セキュリティ的に変わってきます。
safe_loadかfull_loadのどちらかが良いでしょう。
YAMLで設定した値を取得
値を取得する方法は、辞書型と同じように取得することができます。
下記がそのコードになります。
import yaml
with open('./sample.yaml', 'r') as f:
data = yaml.safe_load(f)
print(data['settings']['language']) # jp
日本語のキーが設定できるか確認してみた
INIファイルでは、日本語で設定したファイルを読み込むことができました。
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YAMLで日本語設定したファイルは、無事読み込むことができるのか試してみました。
読み込むYAMLファイルは下記になります。
設定:
言語: 日本語
日本語を取得するコードは下記なります。
import yaml
with open('./jp.yaml', 'r') as f:
data = yaml.unsafe_load(f)
print(data['設定']['言語']) # 結果 日本語
問題なく「日本語」を取得することができました。
YAMLの新規書き込み
YAMLの新規書き込みを行ってみます。
新規作成はカンタンで、辞書型のデータを作ってそれを、dump関数を使うだけです。
import yaml
with open('write_sample.yaml', 'w') as f:
data = {
'setting': {
'language': 'jp'
}
}
yaml.dump(data, f)
dumpの第1引数に辞書型のデータを入れて、第2引数にファイルのストリームデータを入れます。
書き込まれたファイルの中身は、下記なります。
setting:
language: jp
YAMLで読み込んだデータに追記して書き込む
YAMLファイルを読み込んで、データを追記して書き込みます。
新規書き込みのセクションで作成したYAMLファイルを利用して、追記処理をしてみます。
import yaml
with open('./write_sample.yaml', 'r+') as f:
data = yaml.safe_load(f)
data['setting']['list'] = [1, 2, 3]
f.seek(0)
yaml.dump(data, f)
他のサイトとかみると、open関数2回も呼び出すのはダサイと思っていろいろ試しました。
テキストのファイルでもできたので、YAMLでもできるだろってことで上記のコードになりました。
f.seekを使うことで、書き込む位置を先頭に持っていくことで、全体の上書きをしています。
結果は、下記になります。
setting:
language: jp
list:
- 1
- 2
- 3
まとめ
PythonでYAMLファイルを操作してみました。
階層構造にできる分、INIファイルよりは扱いやすいと個人的に思います。
階層構造にする必要がなければINIファイルで十分ですが、階層構造が必要だとYAMLやJSONファイルで扱った方が良いです。
他にもPythonでいろいろなファイルの読み書きを解説しています。
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